2012/12/28

ECサイト構築の前に知っておきたいこと~ASPとパッケージの違いをまとめてみた!~




ありがたいことに、日々たくさんの企業から、ECサイト構築についてお問い合わせを頂きます。ただ、お問い合わせをされる方は必ずしも詳しい人ばかりではありません。

お問合せのなかには、例えば、

お客様A「ECサイトを構築したいんですけど、御社のASPを使う場合は~」
(※弊社ではパッケージを販売)


とそもそもASPとパッケージの区別がついていない方や、

お客様B「バージョンアップした時、無償で対応してもらえるでしょうか?」

とパッケージの特徴を理解されていない方も意外と多かったりします。

ということで、今回は今さら聞けないASP・パッケージの違いを簡単にご説明しようと思います。

1.自社サイトを構築する場合の2大パターン、ASPとパッケージ

①ASPを利用する

正式名称はアプリケーション・サービス・プロバイダといいますが、簡単にいうと、企業が提供しているサービスをレンタルして使うタイプです。

月額の費用を支払って、システムを借りて利用するというのが一般的です。

仮に住まいに例えて考えるならば、ASPは、月々の賃料を支払って、賃貸アパートを借りることと言えるでしょうか。賃貸アパートの場合、インターネットはこの回線でないとダメだとか、壁に穴を開けるなだとか、いろいろな制限がありますよね。

ASPも借り物のシステムなので、例えば、デザインはこのテンプレートからしか選べないとか、こういった制限が必然的に発生します。

②パッケージを利用する

一方、パッケージは、ECサイト構築に必要な基本的な機能を予め備えたソフトを購入し、自社で用意したサーバーにインストールして利用するタイプです。

同じくパッケージを住まいに例えるなら、マンションを購入することといえるでしょう。マンションの部屋には、必要な設備がある程度備わっていますが、部屋の設備を好みのものに変更したり、内装を変えたりすることが可能です。また、一軒家を建てるよりも、時間もコストもかかりません。

この様にパッケージは、べースとなるシステムを基に、自社独自の仕様に変更していくことが可能です。

※自社ECサイトの構築に当たっては、この2つ以外にも、システムを1から作る「スクラッチ開発」といった方法がありますが、これはいわゆる「一軒家」を作ることです。

一軒家というと、夢が膨らみますが、建てるにあたっては、部屋数や間取りなどあらゆることを1から決めていく必要があります。すべて自分の好きなように作ることができる反面、相応の費用、時間がかかってしまいます。

2.ASPとパッケージを6つの軸で比較する

下記にASPとパッケージについて、それぞれの特徴をまとめてみました。6つの評価軸に沿って、ASPとパッケージの違いを確認してみます。


①初期費用

ASPの場合、初期費用は数千円~数万円と安く、月々のコストも安価なものが多いので、自社ECサイトを初めて導入する場合でも、ハードルは低いといえるでしょう。一方で、パッケージの場合、初期費用は数百~数千万と高いため、ある程度本格的にECサイトを構築したい企業様向けとなります。

②期間

ASPは既にあるシステムをレンタルして利用するため、比較的短い期間で利用を開始することができます。一方、パッケージもベースとなるシステムからの開発となりますが、自社独自の機能開発や、デザイン制作によって必要となる時間は長くなります。

もちろん、全てを1から作るスクラッチ開発は、もっと多くの時間を要します。

③独自性

ASPはどの企業も同じシステムをレンタルして利用するので、大体同じようなサイト構成・機能になってしまいます。一方で、パッケージは、ベースとなる要素は同じでも業種や業態に応じて自社独自の機能や、システム開発を行うことができます。

実際ECサイトである程度売上が立ってくると「こんな機能があればいいのに。」「ここが、こういう仕様であれば業務がもっと楽になるのに。」といった、独自の要望が出てきます。ここが、ASPサービスからパッケージサービスへの切替のタイミングではないかと考えます。

④専門知識

ASPの場合、システムを保有するのはASP業者であり、サーバー等の管理・運用もASP業者が行います。一方、パッケージの場合、自社でサーバーを用意するなど、システムは自社で管理していく事になります。そのため、担当者には、ある程度専門的な知識が求められます。

⑤集客・販促

ASP、パッケージ共に、集客や販促のための施策は、基本的に自由に打つことができます。

楽天やYahoo!といった大手モールに出店する場合、こうした自社独自での集客・販促施策というのは打ち出せないため、この点は自社ECサイトを構築する上での大きな魅力といえます。

⑥バージョンアップ

冒頭のお問い合わせの事例としてもご紹介しましたが、意外と多いのがバージョンアップについての質問です。

仮に、ASP業者が、新機能を開発しバージョンアップをおこなうと、同じASPの利用者は、一律にその機能を利用することができるようになります。一方で、パッケージは個々の企業ごとに販売し、それぞれに独自の機能開発を行っているため、仮に新機能を開発した場合でも、全てのお客様に一律に反映させるということは基本的に行っていません。

3.企業のEC取り組み状況によって選択が必要

ASP・パッケージのそれぞれの特徴を6つの評価軸に沿ってご説明しましたが、いかがでしょうか。

既におわかりの通り、ASPとパッケージは初期の導入費用でも大きく異なるため、企業のがECに対してどれほどのウェイトを置いているかによって、選択は変わってくると思います。

①手軽に始めて費用をかけずに運用したい!~ASPでの構築~

ASPのメリットは、やはり初期費用を抑えて、簡単に自社ECサイトを開設できることです。また、自社でサーバーを管理・運用する必要も無いので、専門知識をあまり持っていなくても、運用が可能です。

②こだわりの自社サイト構築したい!~パッケージでの構築~

他社とは一味ちがう機能を作りたい。デザインも妥協したくない。そこまで自社ECサイト構築に対してウェイトを置くのであれば、パッケージを選択するべきです。

パッケージは、初期構築にあたりある程度の費用が必要ですが、独自の機能開発が可能で、自社独自の集客企画、運用が可能です。

以上のように、企業によってECへの取り組み状況は異なるかと思いますので、ASP・パッケージのどちらが良いという話は、ここではしないでおきますが、どちらにしても自社ECサイトを作るという事には変わりはありません。

自社のECサイトを今後どう位置づけていきたいのか、どこまでの売上を目指していくのか。

その点を踏まえて、検討してみてください。

この記事を書いた人
大工 峻平

エスキュービズム・テクノロジー ソリューション事業部開発部にて、タブレットPOSシステム導入を担当。タブレットPOS、Handyシステムの導入営業からはじまり、納品・教育・保守まで幅広い業務領域に携わっています。