2013/3/15

ソーシャルメディアで利益を上げる Facebookページの使い方



昨今ではいかにソーシャルメディアを活用するか、それによって利益を上げるかが企業にとって大きな課題となっています。米国のあるアパレル企業を成功例として取り上げ、ソーシャルメディアの可能性を探ってみたいと思います。

※この記事は、www.bloomberg.com掲載記事の翻訳記事です。

(引用元:『 http://www.bloomberg.com/news/2013-03-05/lolly-wolly-doodle-shows-how-to-profit-from-social-tech.html 』)


Facebook をフル活用する企業「Lolly Wolly Doodle」

(引用元:『 http://www.facebook.com/LollyWollyDoodle 』)

米国の子ども服メーカー、Lolly Wolly Doodleは2010年に設立されました。創業者Brandi Templeは39歳で4児の母であり、子ども服作りが趣味であった彼女はFacebookを利用して会社を急成長させ、月間三万着を出荷するまでになりました。この企業、売上の多くをFacebookを通じて上げるだけでなく、価格設定、注文受付、生産予測やマーケティングまでFacebookでやってしまうのです。


一方でGapやSaks, Macy’sなどの衣料小売の大手はFacebookやPinterestを通して収益を上げる方法を模索しています。大企業のページに多くのいいねが押される一方で、直接収益に結びつくのはわずかというのが現状です。そのことが国際経営コンサルタント、Booz & Coの「2015年までにソーシャルコマースの規模は300億ドルに達する」という予測への信頼性を揺るがせています。


調査会社 EMarketer の副社長、Clark Fredricksen は「大手小売企業はソーシャルコマース成功への筋道をまだ見つけきれていない」と語ります。


(引用元:『 http://blog.feedforce.jp/archives/121 』)

企業のソーシャルメディアの利用方法と課題

それではまず企業のソーシャルメディア利用の取り組みと現状を以下の4つの視点から見ていきたいと思います。

  • ・いいね、コメントの活用
  • ・ウェブサイトとの分断
  • ・ロイヤリティを高める
  • ・トレンドの調査

いいね、コメントの活用

Lolly Wolly Doodleは売上の八割をFacebookから得ています。ユーザーは気に入った商品のページにいいねやコメントを残して買う意志を示し、店側はインボイスと商品を発送するというのが注文の流れです。

注文から発送の流れ

(引用元:『 http://www.facebook.com/LollyWollyDoodle 』)

  1. 1). Lolly Wolly Doodleのページにいいねを押す
  2. 2). 商品情報がユーザーページに現れる
  3. 3). サイズや色、メールアドレスをコメントする
  4. 4). コメントしたユーザーから早いもの勝ちで商品購入権獲得
  5. 5). インボイスをメールで受け取り72時間以内に送金
  6. 6). 2~4週間で無料配送

Facebookでの二週間分の売上はEBayでの二ヶ月分の売上に相当するとのことです。


「Ebayで顧客のフィードバックや問い合わせを受けることもありますが、即座に反応することはできません。Facebookなら何が売れているか、なぜ売れているのかをダイレクトに聞くことができ、その情報を役立てることができます。2シーズン先の商品計画は立てていません」とTempleは語ります。


ウェブサイトとの分断

GapやMacy’sのような大手の小売企業にとって、ソーシャルメディアの場は未だに直接販売の場ではなく、商品を吟味する場所になっています。
人気ページを持ちながらも商品の写真やクーポンは自社ウェブサイトへ引き込むためのきっかけに過ぎず、個人的なやり取りも難しい状況です。

「ソーシャルメディアは販売の場ではなく、より豊かな買い物経験を求める顧客に魅力的なコンテンツを提供する場と見なしています」とはアパレル販売Saksのデジタルマーケティング部門長であるKinjil Parikhの言葉です。

Saksはそれぞれの商品ページにリンクを貼り、クーポンを提供したり、指輪や靴など特に問い合わせが必要な商品には問い合わせ用の電話番号を載せるなどしています。GapのFacebookページは最新トレンドや新商品のページとリンクしています。

言い換えればこれら大企業のページが直接商品売上に結びつくかは、最終的にユーザーがクリックをして企業のウェブサイトを訪問したりお店に呼び込めるかにかかっていると言えます。


ロイヤリティを高める

「ユーザーがある企業のページにいいねを押す、イコールその企業の商品を買いたがるとFacebookは示したがっているが、それは必ずしも正確ではない」とEMarketerの Fredricksenは語ります。「その一方で多くの企業が顧客のロイヤリティを高めるためにソーシャルメディアを使う例は枚挙に暇がない。最終的にはそれが利益につながるというのが理由だ」

Macy’sは顧客が買い物中に友達とシェアしたくなるような情報をアップすることを方針としています。つまり、顧客が店舗の商品を手に取るまでの動機付けや、意味合いを持たせることがポイントです。


(引用元:『 http://www.facebook.com/Macys?fref=ts 』)


トレンドの調査

ある調査ではPinterest(写真共有ソーシャルネットワーク、ユーザー数4000万人以上)
で話題になっている商品のトップ10のうち、半分程度は在庫切れや生産終了となっていることがわかりました。

引用元:【Pinterstページ】 http://pinterest.com/lwdoodle/

さらに他の例ではH&Mのピンクのスリッパが話題になり、5万人以上のユーザーが写真をシェアしてる一方で、H&Mは自社Webサイトに色違いのスリッパを載せていたということがありました。
せっかく話題になっていてもそれにキャッチアップできず、機会損失をした例と言っていいでしょう。


大企業と小企業のソーシャルメディア戦略は違う

では企業がこれからソーシャルメディアを活用しようと思ったときどのようにすればよいのでしょうか。今回取り上げたLolly Wolly Doodleのように販売ツールとして全面的に利用すべきなのでしょうか?しかしLolly Wolly Doodleは小規模からスタートした自身の経営基盤を省みた上で、ソーシャルメディアの全面活用が最善と判断したものと思われます。商品量が限られており、在庫を抱えたくないことへの対策として上手にソーシャルメディアを使っていますが、どの企業にとっても最善な対策ではありません。。

新興企業、零細企業にとってソーシャルメディアはローコストでハイリターンを得られる可能性を持ったツールと言えます。反対に、ある程度の規模を持ち、すでにオンラインストアを持っている企業が前述のように「ソーシャルメディアは販売の場ではなく、より豊かな買い物経験を求める顧客に魅力的なコンテンツを提供する場」と割り切り、自社サイトへの誘導に利用することも必然と言えます。しかし、それならばソーシャルメディアと自社サイトの連動性を高めることが求められます。話題を取りこぼして機会損失に陥ることなく、ソーシャルで得た情報をきちんと自社サイトに反映できる体制を整える必要があります。

ソーシャルメディアが作り出す「場」の効果

しかし、同じオンラインショッピングでもLolly Wolly DoodleのFacebookページには他のECサイトにはないものがあります。

それは言うなれば、顧客らが作り上げる熱気のようなものです。実店舗での買い物ではどのお店が、どの商品が人気なのかは身をもって体感することができます。しかしECサイトではランキングなどで知ることはできても体感できるとは言い難いです。それに対してFacebookのようなソーシャルメディアでは顧客の声がページの重要な構成要素になり、商品の人気や他の顧客の企業へのロイヤリティをも体感できる場となっています。


(引用元:http://www.facebook.com/LollyWollyDoodle

Lolly Wolly Doodleでは商品を購入しなくてもシェアをしたユーザーには次回以降にディスカウントをしたり、抽選でプレゼントをするサービスも行っています。シェアしたユーザーのページには商品の写真が載り、拡散していきます。

ユーザーがどんどん広告塔になり、その効果が顧客となって帰ってきて、さらにページを盛り上げる。言うなればソーシャルメディアの本質とも言えるものがそこにはあります。

今一度ソーシャルメディアの本質に立ち返った上で、自社のソーシャルサイトが一方向な掲示板となっていないか確認する必要があります。

そこを直接的に収益を上げる場とするか、顧客の買い物体験を魅力的なものにする間接的なアプローチの場とするかは、企業の条件や戦略によって分かれることでしょう。

少なくともソーシャルメデイアを戦略的に利用するならば、そこを「顧客と企業とで作り上げる魅力的な場にする」という意識が求められます。それができたとき、企業はより多くの選択肢とより大きな可能性を手に入れたと言えるでしょう。


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