2014/4/4

最新モバイル決済サービス「ZNAP」が店舗と顧客を変える



スマートフォンでQRコードを読み取るだけで、メニュー選択から注文、支払いまでできるモバイル決済サービス「ZNAP(ズナップ)」。手元にカードや現金がなくても、スムーズかつ安全に決済でき、イギリスではスタジアムでの導入が決定するなど広がっている。

日本の決済、小売・流通・飲食市場にも今後確実に影響を与えるZNAPについてまとめた。

目次


最新モバイル決済サービス「ZNAP」

ZNAP(ズナップ)とは


ZNAPとは、これまでのクレジットカード決済のような専用読み取りデバイスや専用回線などを必要とせず、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンを用いて素早く簡単に決済できる次世代モバイル決済システムのことで、スマホにダウンロードしたアプリにクレジットカードを登録するだけで、店舗での商品の支払はもちろん、雑誌や屋外広告にあるQRコードを読み込み、暗証番号4桁の入力のみで決済を完了することができる。ポイントサービスやクーポン、特別優待サービスなどもスマホ上で管理できるモバイルプラットフォームだ。
http://consumer.znap.com/ja_JP/

飲食店や小売店向けのモバイル決済サービスはNFCを活用したおサイフケータイやBluetoothを利用したiBeaconなどが開発されているが、モバイル端末時代に専用機能が搭載されていなければ使えなかったり、店舗側が専用読み取り機の用意などインフラへの投資をしなければならないなど、ユーザーと店舗がどちらも負担なく導入できる決済サービスはまだない。

ZNAPなら、ユーザーは普段持ち歩くスマホだけがあればよく、店舗もQRコードを表示できるもの(メニュー表や、POP、シール、タブレット端末など)とユーザーが読み取ったQRコード情報をサーバーに送信するためのモバイル回線を用意するだけでいいのが特徴だ。

クレジットカードの決済手数料3.24%は店舗負担となるが、店舗が個別にカード会社と契約済みの場合は同じ料率を適用することができる。

どんな効果があるの?

ユーザーの場合

・お財布を持たずに買い物、飲食ができる
・店舗での待ち時間が少なくなる
・ポイントカード、クーポン券を持ち歩かなくていい
・ECサイトの決済もZNAPでできるので、いちいちクレジットカード情報を入力しなくてOK
・飲食店のメニューをZNAPで表示し、注文できる(店員が来なくてイライラ…といったストレスが減る) など

小売店の場合

・ユーザー自身による商品決済を誘導することで、人件費を削減できる
・レジ待ち行列を緩和できる
・商品の詳細情報をアプリで管理できる
・実店舗とECサイトで同じ決済方法を利用できる(クレジットカードの場合、店舗とECでは基本的に別の決済代行業者と契約しなければならない) など

飲食店の場合

・スタッフによる注文入力ミスがなくなる
・会計業務の負荷が減ることにより、キッチンやホール業務に集中できる
・食い逃げがなくなる など

どうやって使うの?

ユーザーは、まず自分のスマートフォンにアプリをダウンロードし、年齢や性別、クレジットカード情報などの個人情報を登録する。年齢などのユーザー属性情報は決済に必要ないが、店舗のマーケティング情報として活用される(ユーザー属性を提供したくない場合は、店舗での決済のたびに属性情報送信の可否を確認する機能があるので、そこで拒否設定すればOK)。

ZNAPに必要情報を登録したら、あとは店舗内やECサイトで用意されたQRコードをアプリで読み取るだけ。メニュー表や商品情報の詳細が表示され、決済に進むことができ、暗証番号4桁を入力すれば支払完了となる。
(参考:ZNAPの登録方法、飲食店での事例


スマホアプリにクレジットカード情報登録…安全性は?

クレジットカード利用でこわいのはカード情報、個人情報の漏えいだが、ZNAPはクレジットカード業界のセキュリティス基準であるPCI DSSのレベル1の認証を取得しており、アメリカン・エキスプレスやJCBインターナショナル、マスターカード・ワールドワイド、VISA Inc.などと同等のセキュリティ基準に準拠している。

また、登録した個人情報はスマートフォンではなく、ハイセキュアなサーバーに保管されるため、スマートフォンを紛失してもカード情報や個人情報が第三者に見られることはない。店舗やECサイトでの決済で利用しても、クレジットカード情報は店舗側に開示されないため、カードを持ち歩いて買い物するより情報漏えいのリスクが低く、安心して使用することができる。

ZNAPの導入事例

日本での事例はまだ少ないが、イギリスやアメリカ、イタリアなど海外ではサービス導入が進んでいる。

イギリス(ロンドン)/ラグビー競技場 トゥイッケナム・スタジアム

http://znap.blog.jp/archives/36869740.html


ロンドン郊外にあるラグビー競技場、トゥイッケナム・スタジアム。テニスのウィンブルドンにも匹敵するラグビーの聖地で、スタジアム内にある6つのバーでZNAPが使えるようになる。スタジアムの座席にいながらメニューを注文、決済し、バーに取りに行くだけで受け取ることができるので、バーに並ばずすぐに試合観戦に戻ることができる。
イギリスでは競馬場でも導入が進んでいる。

アメリカ(ニューヨーク)/音楽イベント SOUND CITY

http://znap.blog.jp/archives/37008036.html


イベントのチケットを購入した客にNFC内蔵のリストバンドを送付。客はリストバンドに印刷されたQRコードをZNAPで読み取り暗証番号を入力して登録しておくと、イベント会場の入場管理や会場内での商品購入時、NFCカードリーダーにリストバンドをかざすだけで行うことができる。屋外や混雑しているイベントで財布を持ち歩く必要がなくなる。

インドネシア(ジャカルタ)/スーパーマーケットチェーン Hypermart

http://znap.blog.jp/archives/32628749.html


インドネシアの大手スーパー、Hypermart(ハイパーマート)。決済だけでなく、ZNAPを使った割引サービスやクーポン配布を行っている。インドネシアではオンラインサービスでZNAPを活用している店舗や約120あり、各店舗で毎週約500ユーザー増えるので、計5万~6万ユーザーが新規にZNAPを利用しているとのこと。

日本(東京・六本木)/飲食店 QRBAR

http://r.gnavi.co.jp/g887400/


日本初となるZNAPのコンセプトショップ『QRBAR』。各テーブルに貼られたQRコードをスマホで読み込むことで、メニュー閲覧・注文・決済の一連を行うことができる(通常の注文方法も可)。注文された料理はキッチンプリンタにデータが飛び、指定のテーブルまで運ばれてきくる。

日本(東京・虎ノ門)/飲食店 さんしん亭

http://www.sanshintei.com/

http://amet.livedoor.biz/archives/54693368.html


海鮮料理屋「さんしん亭」。店員が会計時にタブレット端末に決済用のQRコードを表示し、ユーザーがZNAPアプリで読み取ることで支払いをすることができる。

ZNAPが演出する新たな購入体験

お財布を持たずに買い物ができるZNAPは、これまでにない新しい購入体験を提供することができる可能性を秘めている。ここからは、ZNAPを活用することで提供できるミライの購買体験を紹介する。


気になった商品をどこで買えるかすぐわかる

電車の中刷り広告や駅ナカ、街頭のポスター、新聞広告にのっているQRコードをスキャンすれば、いちいち検索しなくても気になった商品の詳細情報を確認することができる。そのままオンライン上で購入し商品を自宅に届けることも、商品の在庫がある店舗をアプリでチェックし実際に見にいくことも可能。

商品を決済し店舗受け取りを選択すれば、店舗の入店と同時にZNAPのチェックイン機能で店員に入店を知らせることができ、スムーズに商品を受け取ることができる。

待ち時間ゼロ、行列に並ばず商品受け取り

事前にZNAPからメニューをオーダーしてカフェへ。注文のための長い行列を横目に受け取りカウンターへ向かえば、注文・決済済みの商品を受け取ることができる。

ちまちました現金精算はもう不要

カラオケのように、基本料金の他に飲食や商品購入に合わせて別途で費用がかかり、最後に精算するという場合でも、スマホでQRコードを読み取るだけで決済完了するので精算に時間を取られない。

ゴルフ場やスキー場、温泉施設など財布を持ち歩きたくないところでも、ZNAP対応リストバンドをしていれば、NFCカードリーダーにリストバンドをかざすだけで自動で決済。高速道路におけるETCカードのように、スムーズに体験を継続できる。

さいごに

ZNAPは香港に本社をもつグローバル企業MPayMe社が運営しており、日本でのサービス開始は2013年6月。提供開始から間もないことから他の決済方法と比較するとまだ利用者は少ないが、ZNAPを運営するMPayMe社は、九州熱中屋などの飲食店やBAGUSなどのアミューズメント施設を200店舗以上経営する㈱ダイヤモンドダイニングと業務提携し、2020年の東京オリンピックも見据えて今後の展開を模索中とのこと。ビジネスプラットフォームとして注目株である。

この記事を書いた人
巻 千鶴

エスキュービズム・ホールディングス 業務推進室にて、財務/法務/経営企画などを担当。営業から始まり、カタログ編集長、Webサイトや印刷物のディレクションなど誰よりも幅広いキャリアを持つ。



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