2016/12/21

2017年、小売業界を賑わすトレンドを予測する



2016年もあと10日と押し迫ってきました。振り返ると、今年も様々な出来事があり、新しい技術が生まれ、社会に広がっていきました。
今年の流れを受けて、来年はどのようなトピックスが盛り上がるか、予測してみました。

1. レジが店舗から消える!

2016年12月に発表されたAmazonの試験店舗「Amazon GO」。2016年は○○GO、というゲームがいくつかブームになりましたが、偶然の一致でしょうか。
紹介動画では、入店時にアプリをスキャンし、その後自分のカバンに商品を入れる買い物客が次々と登場します。



冒頭、入店した男性はサンドイッチを手にし、レジを通らず、会計も行わず、すぐにそのまま店を出ていきます。どうやら、アプリでチェックインしていれば、手にした商品をセンサーが読み取ってカートに入れてくれる仕組みのようです。
チェックインした顧客の顔、ID、商品をセンサーやカメラで紐づけ。AIが在庫状況を判断・予測し、在庫を補充する……そういったレジフリーの店舗を2017年に開店する、とAmazonでは発表しています。
セルフレジやRFIDによる無人レジなどのテクノロジーも進化してきましたが、もはやレジ不要、という世界が始まっているのです。

2. クレジットカードの不正利用対策の促進

日本はクレジットカード発行枚数は多いものの、実は現金決済が多く、クレジットカード決済は主流ではありません。
しかし、クレジットカードや電子マネー決済、モバイル決済が主流の訪日外国人の対応は今後充実させる必要性が高まっています。
2016年は下記の法案が閣議決定されました。

「割賦販売法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、カード加盟店はICチップ付きカード(EMVカード)に対応した読み取り端末の導入が義務付けられます。

http://www.meti.go.jp/press/2016/10/20161018001/20161018001.html


2020年のオリンピックイヤーには、訪日外国人4000万人を目標にしています。クレジットカードの不正利用を防ぐためにも、EMVカード対応を推進していくことになります。
また、実店舗でのクレジットカードの不正利用は偽造しにくいICカードの普及に伴い減少傾向ですが、ECサイトでは逆に不正利用が増加傾向にあります。
ECサイトからクレジットカード情報が流出したケースは、今年も何件かありました。
割賦販売法の一部を改正する法律案に則り、PCI DSSへの準拠、クレジットカード情報を自社サーバーで持たないなどの対策を取り、不正利用を防ぐ必要があります。

3. モバイル決済市場の拡大で財布が不要に

2016年11月、Apple Payが日本でも使えるようになりました。
Fericaや電子マネーに加え、iPhoneやapple Watchなどのモバイル機器でクレジット決済が可能となり、現金を持ち歩かなくても行動できるようになりつつあります。
また、Andoroid Payも限定的ではありますが12月にサービスインしています。
小売店はこうしたモバイル決済にも柔軟に対応していくことで、顧客満足度も上がるでしょう。
EMVカードの普及も含め、Fintechはこれからより一層生活に浸透していくと考えられます。


4. AIが店舗業務を代替する

アパレル業界、飲食業界、通販業界。人工知能は少しずつその活躍の場を広げています。



膨大な情報を必要とするソムリエや利き酒師も、好みを判断しておすすめしてくれるAIがあれば、それほど知識のないスタッフでも接客できます。
他にも、これまではお店で「こちらがお客様にお似合いですよ」と、初めて会った店員さんにインスピレーションでおススメされていた洋服を、自分の好みから選んでレコメンドしてくれるAI接客や、世界で1通だけのパーソナライズされたDMが届くAIマーケティング、スタッフの勘や感情に頼らない、戦略的なプライシングを行ってくれる予測シミュレーションなど、AIのカバーする領域は少しずつ広がっています。
在庫の適切な調節も、トレンド予測シミュレーションによって可能になり、店舗在庫だけでなく生産在庫も調整できるようになるでしょう。

4. 新しい配送の形

取扱商品や配送地域に制限はあるものの、注文から数時間で届く「即日配送」が2016年話題となりました。Amazon プライムナウ、楽びん!、ヨドバシドットコムなど、独自の流通サービスとして展開をしています。
時間のかかる「配送無料」よりも、オプション料金を払って「即日配送」を選択できるようになり、顧客満足度アップにつながっているのではないでしょうか。

また、ドローンによる配送も国内外で各社の試みが進んでいます。
楽天は千葉で実証実験を重ね、Amazonもイギリスで行った実証実験の動画を公開しています。



また、中国ではJD.comが山間部など配送の難しい地域へのドローン配送を行っています。直線距離なら短いが、山岳地域のためルートが限られ、輸送コストがかかってしまうような地域へドローン配送が行われているのです。
この考え方は、日本でも過疎地域への配送を行う場合など、参考になりそうです。

5. ARを販促ツールに

ポケモンGOで一気に身近になったAR(仮想現実)技術。2017年は、小売店でもスマホアプリでの活用が本格化すると予測します。
カタログから選んだ家具を自分の部屋に置いたイメージを確認できるアプリ(空間認識型)や、GPSで位置情報を取得し、観光情報を表示させるアプリなど、様々な活用方法が生まれてきています。
店頭POPとアプリを連動させ、商品情報を表示させたり、プロモーション動画を流したりと、販売促進ツールとしても期待できます。
タッチパネルサイネージでバーチャル試着を行ったり、イメージ動画が流れて購買意欲を促進する例もあります。



6. IoTで顧客分析

ARと同様に、IoTデバイスの多様化・増加に伴い、小売業でもIoT技術の活用がより促進されるでしょう。
カメラやセンサーによる来店客の分析で、店内のPRツールの最適化、スタッフのシフトの最適化も行い、業務オペレーションを数値データから効率化できるようになるのが「インストアアナリティクス」。こうした来店客の動きを可視化する動きは、カメラだけでなくスマホのwi-fi電波や、スマホアプリからの情報を取得することでも行えます。スマホは立派なIoTデバイスであり、今後もしばらくはスマホを活用したIoTのアイデアは続くと考えられます。

RFIDで在庫の棚卸を行うロボットなど、店頭だけでなくバックヤードでも導入されています。



7. ふるさと納税で復興支援

2016年は大規模な地震があり、熊本、鳥取が大きな被害を受けました。東日本大震災など、災害復興支援という形でも、ふるさと納税が一般的になっていくでしょう。
寄付金が迅速に直接自治体に送付されること、利用用途が明確で納得感があることで、ふるさと納税を通じて寄付を行う人が増えているようです。
また、寄付金は税金の控除対象になる(控除額上限あり)ため、寄付をしやすいという側面もあります。
災害は起こらない方がいいに決まっていますが、もし起こってしまった場合はふるさと納税での復興支援は今後も有効となるでしょう。

まとめ

どのトピックスも、それぞれはテクノロジーや事象の一面であり、相互に関わっていると感じました。
IoT、AI、AR、Fintechなどを連携させた、より進化した小売のカタチが2017年は生まれるでしょう。


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